日米運営委員会二日目。今日はminutes(議事録)を作る日。minutes作成はアメリカ側担当(日本側は事前の資料作成)なので、午前中は結構時間がある。というわけで、ORNLのUser Programの責任者であるJudy Trimble女史と加倉井さんと3人で、どうやって日米協力をORNLのUser Programと整合させるかについて議論をした。
MinutesにDOE-ISSP-JAEAのSteering Committee Membersがサインをして、それを写真に撮って、そのあと参加者の集合写真をとって、公式行事はおしまい。例によってminutesの書き方でひとしきり議論があったが今回はかなり平和。午後はSNSとHFIRの見学に連れて行ってもらう。SNSは1年ぶりだがチョッパー分光器ARCSをSEQUOIAの巨大な真空槽が2つ並んで出来ていたり、冷中性子チョッパーCNCSと産業応用分光器VULCANと粉末回折型POWGENの建家がメインホールの外に完成していたり、backscatteringとreflectometersがデータを取り始めていたり、とずいぶん進んだ感じ。もうすぐ100kwに到達するらしい。HFIRは冷中性子源ができたこともあり、ガイドホールはほのぼのろ盛り上がっていた(SNSに比べるとずいぶんとこじんまりした印象をうけるが実際にはかなり広い)。BarryにCTAX2(というかH4M)分光器を分解して木箱にしまってあるところに連れて行ってもらう。藤井先生と吉沢先生がものすごく懐かしそうにしていた。
夜は日本側の返礼のディナーで築100年以上のお屋敷を改装したJazz Clubつきのレストランにいってステーキを食べた。Ian Andersonと席が隣になり、随分と色々な話ができて楽しかった。
マンハッタンに移動する日。朝ホテルを出て、レンタカーを返して、飛行機に乗ってDCに行って、乗り継ぎをしてJFK空港について、と何だかすごくスムーズ。…と思っていたら、JFKで荷物が出てこない。DCで乗継いだ飛行機が満席だったため、乗客のスーツケースを全部載せることができなずにの荷物もDCで足止めをくらったらしい。今日の夜にはホテルに届けてくれるとのこと。こちらにいると大抵のことは「まあいいか」という気分になる。そうじゃないと疲弊してしまうので。
スーツケースもなくて身軽だし、折角だからとAirTrain(モノレール)でターミナルから近くの地下鉄の駅(Howard Beach)まで出て、そこでA Lineに乗り換えてマンハッタンに向かう。しかし、AirTrainの案内はシンプルというか不親切というか、初めて来た人にはよく分からない。あちこちで質問しあう光景が…人と人とのコミュニケーションを活発にするためにあえての措置なのか。E Lineの50thに着いて、3ブロックほどあがってホテルへ到着。ニュヨークはちょっと肌寒い。
久しぶりに、New York City Balletを観てきた。5月はNYCBとAmerican Ballet TheaterのLincoln Centerのシーズンなのだ。NYCBのほうが好きなので、とくに何も考えずに土曜日の夜の部をネットで買ってしまった。Second Ringで72ドル。9割ほどの入りで、それほど混んでいなかったので二日前に買ったにもかかわらず正面に近い良いシートだった。
今日は"Four Voices"という4人の振付家による4つのコンテンポラリーで、それぞれかなり全く違うのだが、一応どれも男女の(暗い)愛を描いてるという点では共通している。一つ目の"Carousel"のメインのKathryn Morganは可憐な感じなのだが、ストーリーの流れに応じて重力の強さと空気の密度をコントロールしているような精密な踊りで素晴らしかった。でも、Principalsのリストに載っていないし、Soloistsでもない。おかしいなあと思って探して、Corps de balletの中にいた。最近、加わったばかりみたいだし、何か特別な人なのだろうか?
二番目の"Middle Duet"は8小節(?)を延々と繰り返すピアノとパーカッションに合わせて、ほとんど同じ位置で向き合って組んだままで踊るペアのバレエだが、こちらはMaria KowroskiとAlbert Evansのベテラン(と言っても自分がsubscribeしていたシーズンにはいなかったけど)。ステージの左に天使と思われる大きな羽のついた白装束の男性、右に黒装束の悪魔が立っていて二人の踊りを見ている。基本の繰り返しのなかに少しずつバリエーションがあり、ステージの左にいったり右にいったりするのが何やら暗示的である。さんざん踊って、突然2人がバタンとステージに突っ伏す。悪魔がそれを見に行き、それを天使が追い払うと、今度はステージの後方に新しいペアが出てきてまた同じバレエを始めた。
次はNYCBおなじみのJerome Robinsの振り付けで"Moves"。これにはオーケストラがついていない。照明が暗くなっても普通はオーケストラピットの灯りでぼんやりと薄暗い程度なのが、今回は真っ暗。なかなか面白い経験をした。基本は12人によるPas de Deuxだが、途中に男性だけのパートと女性だけのパートが出てくる。極端にアシンメトリーな振り付けで、Pas de Deuxなのに1人だったり3人だったりの部分まででてきた。実験的、ということなのだろうけど、展開が全く読めない振り付けで最後まで緊張感を保っていたのは凄いと思う。普通は途中でだれて繰り返しが入りそうなものなのに。
最後は当然、George Balanchineで"La Sonnambula"。どんなのだろうと思っていたら、17-18世紀のお城というかお屋敷の中庭みたいなセットが作られていたので意表をつかれた。ダンサーもみんなちゃんとその時代っぽい衣装をつけているし。振り付けも前の3つに比べるとオーソドックス。Premiereが1946年だからなあ。でも、ちゃんとBalanchine的で、ところどころコミカルな部分を作ったり、おそらくはもの凄い技術を要求するところを突然に挟んだりしている。道化師(Harlequin)をやったDaiel Ulbrichtのテクニックが素晴らしかった。十数年前ならGen Horiuchiがやっていそうな訳。あとは後半に出てきた夢遊病の女性(The Sleepwalker)のWendy Whelanが、ええそんな長い距離をトゥでたったまま後ろ向きに進むのか(しかも後ろ向きのまま狭い扉のなかに入って消えていくのだ)!、という踊りで喝采をあびていた。コミックなのか?と思っていたら主人公のプレイボーイ(The Coquette)が逆上した屋敷の主人に殺されて終わった。暗いなあ。
Lincoln Centerの前のバス停にたったら珍しくすぐにM7のバスが来たので、それに乗ってホテルにもどる。荷物はまだ届いていない。まあいいことばかり続かないのだ。
夕食が例のピザだけだったので、何か食べようと思い、食べるはずがバーに行くことに。Guiness→Verrazano Mattini→Jamson 12yrsという流れ。BRIDGESというのはマンハッタン島につながる7つの橋を意味していて、それぞれの橋にちなんだカクテルが用意してある。その一つがVerrazano Mattini。Gin+Amaretto+Sweet Vermouth+Lemon Juiceでグラスにオレンジを飾るとメニューに書いてあった。注文したらバーテンダーが「えーと」という感じでメニューを見て、さらに作る間もメニューを再度確認していた。このあたりの「ゆるさ」がアメリカである。美味しかったけど。これでもか、というぐらいナッツをくれたので、お腹もそれなりにいっぱいになった。しかし、まだ荷物がとどかんぞ。
Jazz club付きのレストランなんてありましたっけ?
Baker Peters Jazz Club: 9000 Kingston Pike, Knoxville, TN 37923: (856) 690-8110
zip codeが僕の住んでいるアパートと同じ...